投稿公開日:2025-11-04 投稿カテゴリー:テクノロジー / 音楽業界 歌詞データをDSPへ提供しているMusixmatchは、音楽AIに関する業界初の契約を実現した。同社は、メジャーレコード会社の音楽出版部門であるソニーミュージックパブリッシング (SMP)、ユニバーサル ミュージック パブリッシング グループ (UMPG)、ワーナーチャペルミュージック3社と「AIイノベーション契約」を締結。これによって、Musixmatchは3大メジャーの持つ1,500万曲以上のカタログ作品へアクセスし、これらのデータを活用して権利者と音楽出版コミュニティと連携しながら、新しく分析型 (Analytical) および非生成型 (non-generative)のAIサービスを開発する予定だ。Musixmatchの契約は、同社共同社長のリオ・カラエフ(Rio Caraeff)によって、ロンドンで開催されたMusic Ally主催の音楽出版業界カンファレンス「Music Ally Publishing Summit」の壇上で発表された。同社のCEO兼創業者のマッシモ・チョチオラ (Massimo Ciociola)は次のように述べた「簡潔に言えば、音楽業界はソングライター無しには成り立ちません。今回の契約では、現在の市場だけでなく、急速に発展するAI主導の新たな市場においても、今日そして未来のソングライターが自らの創作活動に対して正当な報酬を得られるようにするものです」新サービスの具体的な内容については今後詳細が発表される予定だ。Musixmatchは今後、メジャー出版から正式に許諾、ライセンスされた楽曲を活用し、責任ある形でAIを学習させて、サービスを構築していく。2010年創業のMusixmatchは過去15年以上にわたり、音楽出版社や業界と関係を構築し、権利者へ収益を分配してきた基盤がある。今回の契約は、歌詞やカタログ楽曲に関する重要なデータの再利用と、音楽AIの責任ある学習における新たなモデルケースと言える。