韓国の音楽業界では、海外からも注目を集めるかもしれない興味深い動きが起こっている。韓国メディアの朝鮮日報 (The Chosun Daily)は、韓国内の音楽ストリーミング市場で、業界1位のYouTube Musicを追いかけるDSP間の競争が激化していることを伝えた。同紙によれば、Melon、Genie、Floといった国内DSPに加えて、SpotifyなどのグローバルDSPが、「オフラインの体験型イベント」の展開を通じて、激しいユーザー獲得競争を繰り広げている。

Melonは、人気アーティストが出演する「The Moment」を昨年から会員向けコンテンツに位置付けている。同社は、Melon Ticketを通じたチケットを独占販売することで、ロイヤルユーザーの獲得を狙っており、9月から11月にかけて実施した16のイベントには、合計1万6000人を集客した。同社はまた、年末アワード「Melon Music Awards」も規模拡大を図っている。昨年は会場を仁川のインスパイア・アリーナ (1万2000席)からソウルの高尺スカイドーム (2万5000席)へ大規模会場へ移動し、K-POPアーティストの人気効果でユーザー獲得を狙う。

Spotifyは、国内外のアーティストを起用したポップアップ・イベント施策を展開。11月にはソウルで開催した「Spotify House Seoul」には、UKラッパーのCentral Ceeや、オーストラリア人ラッパーのザ・キッド・ラロイ、韓国人シンガーソングライターのHanro、K-POPグループのKiss of Lifeがパフォーマンスを実施した。また、Spotifyは韓国インディー・ロックを特集した「Tune Up Meets Fresh Finds」、さらには、AESPAやENHYPENといったK-POPアイドルのファン向けのポップアップストアやリスニングパーティーも展開している。

Genieは、ファンのコレクション欲に繋がるアルバムやグッズ制作で差別化を図る。人気K-ドラマ『私と結婚してくれますか?』『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』『オフィスロマンス』のサウンドトラックや、ゲーム『Epic Seven』のサントラ制作で、コンテンツのコアファン向けに最適化したグッズを同梱して提供する。

Wiseapp Retailのデータによると、韓国内の2025年8月時点の月間アクティブユーザー数 (MAU)では、YouTube Musicが1,012万人で1位を占め、続いてMelonが623万人、Spotifyが424万人、Genie が257万人、Floが176万人となっている。