Spotifyは、米国でサブスクリプション月額料金の値上げを発表しました。7月から個人向けプレミアム・プランの月額料金は10.99ドルから11.99ドルに引き上げられます (日本円で約1860円、1ドル155円換算)。Duoプランは月額16.99ドル (約2635円)。ファミリープランは19.99ドル (約3100円)にそれぞれ引き上げられます。学生プランは5.99ドルのまま据え置かれます。

Spotifyの有料会員の分布を見ると、2024年3月の時点で、グローバル有料会員の28%が北米で、これは約6690万人に相当します (米国、カナダ含む)。米国はSpotifyにとって最も収益性の高い市場です。2023年通年の収益132.5億ユーロのうち、米国は前年比11%増加した52.3億ユーロを占めており、総収益の39%以上に相当します。

今回の値上げは、Spotifyが過去2年で2度目の価格引き上げです。2023年7月、個人向けプレミアム・プランの価格は9.99ドルから10.99ドルへ初めて引き上げられ、Duoプラン、ファミリープランもそれぞれ12.99ドルから14.99ドル、15.99ドルから16.99ドルへ変わりました。これで、Spotifyはわずか2年間で、プレミアム・プランを2ドル、Duoプランとファミリープランを4ドル、値上げしたことになります。

今回の値上げは、前回と同様、レコード会社からは歓迎されるはずです。また、投資家コミュニティも、値上げに対して好意的な反応を示しています。レコード会社は、Spotifyだけでなく、他の音楽ストリーミングサービスに対しても、継続的に値上げを実施するよう、プレッシャーをかけ続けるでしょう。

Spotifyは、5月末に、フランスでプレミアム・プランの値上げを実施しました。新価格は月額11.12ユーロ (約1875円、1ユーロ167円換算)。値上げ幅は1.2%の増加で、Duo、ファミリー、学生を含む全てのサブスクリプションに値上げは適用されます。1.2%の増額は、フランス政府が2024年1月から導入された、フランス国内で年間売上が2000万ユーロを超える音楽ストリーミングサービス運営企業に対する新しい課税「ストリーミング税」への対応です。

Spotifyは、今年から導入したオーディオブックと音楽を組み合わせたプレミアム・プランを「バンドル」として再分類することで、音楽出版社や作詞作曲家へ支払うロイヤリティ収益分配を減額していることで、非難を浴びています。