
Spotifyは、新規の会員獲得、無料会員の有料利用へのコンバージョンに向けて、様々な音楽体験を提供する施策を展開しています。
5月には、世界的に人気のヒップホップアーティスト、トラヴィス・スコットとスペインのサッカーチーム、FCバルセロナとのパートナーシップを実現しました。ユニフォーム・テイクオーバー企画や、トラヴィス・スコットのブランド「Cactus Jack」とFCバルセロナによるコラボグッズの販売はわずか数時間で完売するほど盛況でした。さらには、アーティスト本人をバルセロナに招待し、Spotify独占の招待者限定ライブを実現させました。ステージでは、最新アルバム『JACKBOYS 2』に収録予定の新曲「Dumb」と「Kick Out」も初披露され、ファンにいち早く最新サウンドを届ける熱狂的なセットリストで会場を盛り上げました。
今月は、そのパフォーマンスの模様を映像作品『Spotify Presents: Travis Scott Live From Barcelona』としてSpotify上で独占配信します。これは、Spotifyが展開する特別なコンサートやファンイベント企画「Spotify Presents」の一環で、これまでにも『The Weeknd x Billions Club』や『Lady Gaga’s Little Monsters Press Conference』などでイベントと連動した映像配信に取り組んできました。今回配信した『Spotify Presents: Travis Scott Live From Barcelona』を、Spotifyは「アーティスト主導型の動画コンテンツの次なる章」と称しており、動画がSpotifyユーザー体験の中心的存在へ広がっていることを示しています。
Spotifyは、FCバルセロナ以外でも企業パートナーシップを拡大しています。今月はユナイテッド航空との提携が発表され、機内でSpotify選曲のプレイリスト、ポッドキャスト、オーディオブックなど合計450時間以上のコンテンツが無料で楽しめるようになります。Spotifyにとって、航空会社とオーディオブックやビデオポッドキャストの提供は初めての取り組みです。2026年には、機内エンタテインメント・システムのSpotifyアプリに個人アカウントでログインできる機能も導入予定です。
さらに、イギリスのグラストンベリー・フェスティバルとの連携も発表されました。公式フェスアプリにSpotifyが連携が始まり、フェス参加者は個人アカウントでログインすれば、アプリが再生履歴を基に、フェスで見るべきアーティストがレコメンドする機能が始まります。
このように、Spotifyはストリーミングを中心に、ライブ体験やリアルなイベント、移動手段と多様な領域に戦略的に展開を広げており、あらゆる場面にパーソナライズされた体験を提供する総合エンターテインメント・プラットフォーム化を推進している動きが伺えます。