
ユニバーサル ミュージック グループが昨年発表した、Downtown MusicやFUGA、CD Babyなど複数のサービスをインディーズ向けに展開しているDowntown Music Holdingsの買収を巡って、独占禁止法に触れる懸念から、EUの行政機関である欧州委員会 (EC)が、正式に審査を開始することを発表しました。ユニバーサル ミュージックは2024年末、傘下のVirgin Music GroupがDowntown Musicを買収しサービス事業を取得する計画を発表しました。
ECは声明文の中で「本取引は、UMGおよびDowntownの両社が事業を展開する、オーストリアおよびオランダをはじめとする多数の国を含め、音楽バリューチェーンの特定市場において競争に重要な影響を及ぼす恐れがあります。従って、欧州委員会は、本取引の審査の必要性を認めました。委員会はUMGに対し、本取引に関する正式な届出を要請しており、UMGは委員会への届出および承認を取得するまで、取引を実行することはできません」と述べました。
ユニバーサル ミュージックはMusic Allyに次の声明を提供しました「今後数週間に渡り、欧州員階との協力を継続することを期待しています。本買収は当初の予定通り、2025年後半に完了できると確信しています」
ヨーロッパのインディーレーベルが参加する業界団体「IMPALA」は、ECの審査を歓迎しています。同団体の代表であるヘレン・スミス (Helen Smith)は次のように述べました「今回の買収がヨーロッパ全体に及ぼす影響の規模を踏まえると、EUが取引を審査することは正しい判断です。あらゆる業界と同様、音楽業界にも大手企業の存在は必要です。ただし、以前から指摘するように、過剰な企業規模には限度があります。UMGはDowntownの買収以前から、すでに適正な上限を超えており、本取引は完全に阻止されるべきです」
イギリスのインディーズ音楽業界団体「AIM」のCEO、ジー・デイヴィ (Gee Davy)もIMPALAと同様に、審査を歓迎しました「今回のEUによる対応は、他の規制当局が介入するための前例となります。イギリス当局にも同様の対応を要求します。音楽市場はイギリス経済において極めて重要な存在です。音楽市場は全ての人に対してイノベーションとアクセス可能な環境を維持するべきです」