Spotifyは、グローバル音楽市場における同社の取り組みを紹介する年次レポート「ラウド・アンド・クリア」(Loud & Clear)から、ローカル音楽市場に特化したデータも公開し始めています。最新のレポートでは、オーストラリアに焦点を当てたデータが公開されました。同社によれば、2024年にオーストラリアのアーティストへ支払われたロイヤリティ総額は前年比で14%増加し、3億豪ドル以上 (約280億円以上)が支払われました。同額は2017年と比較して約3倍に拡大しています。

2024年のロイヤリティ支払いの50%以上はインディペンデント・アーティストおよびインディーズレーベルの楽曲に対して支払われました。インディペンデント層への分配増加は、世界各国のSpotifyで見られる同社のトレンドの一つで、非メジャー・アーティストの楽曲に対する需要の高さを示しています。

Spotifyによれば、オーストラリアの楽曲に対する収益の80%以上は国外からの再生から発生しています。2024年には、世界中で初めてオーストラリアのアーティストをリスナーが発見した回数は28億回以上にのぼりました。同国は音楽輸出国として世界トップ10にランクインするほど、海外での音楽需要に応える輸出戦略が進んでいることを示しています。2023年のデータですが、オーストラリアの楽曲は世界で571億回以上再生されています。

オーストラリアでは同国政府が音楽ストリーミング各社に対して、国内ユーザーに表示するアルゴリズムのレコメンデーションや自動生成プレイリストでオーストラリア音楽の比率を引き上げるよう、要請しています。サービス側が協力しな場合、法令によって義務付ける提言も行われました。そのため、Spotifyは対応の一環として、オーストラリア音楽をPRする「Turn Up AUS」プログラムを立ち上げ、地元音楽の機会創出を強化してきました。

「27億回も新しいファンに発見された」Spotify、オーストラリアの音楽を特集する「Turn Up AUS」キャンペーンを開始