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先日、ユニバーサル ミュージック グループ傘下のVirgin Music Groupが、FUGAやCD Babyなどのディストリビューションサービスを運営するDowntown Music Groupの買収計画を発表したことを受けて、世界中のインディペンデント・アーティストやレーベル、中小規模のインディーズ音楽企業を支援する業界団体は、買収を批判する声を上げています。先日、IMPALAとAIMが抗議の声明文を発表したことに続き、WIN (Worldwide Independent Network)とA2IM (American Association of Independent Music)も、抗議に参加しました。
ユニバーサル ミュージックのVirgin Music Group、Downtown Musicを買収へ。買収額は7億7500万ドル。インディペンデント音楽市場で最大規模のサービス企業誕生へ
インディペンデント音楽業界団体やBeggars Group設立者が反論。ユニバーサル ミュージックとVirgin Music GroupのDowntown Music買収で、レーベルとアーティストの独立性を主張
WINは、Virgin Music GroupによるDowntown Music買収が、音楽エコシステムに重大な悪影響をもたらすと警鐘を鳴らします。Downtown Musicは現在、145カ国における5000以上の法人クライアントおよび400万以上のクリエイターを支援しており、FUGA、CD Baby、Songtrustなどの様々なグローバルサービスが、Virgin Music Groupに統合される可能性があります。これによって、メジャーと契約していないインディペンデント企業が利用する音楽の流通、ライセンス、権利管理において、大幅に集約される可能性があり、世界各地の音楽市場で不均衡が広がる恐れがあります。WINは、今回の取引を阻止するよう、規制当局に求めています。
同団体のCEOであるNoemi Planasは次のように述べました「UMGが今回の買収を『インディペンデント音楽のエコシステムへの投資』と位置付けても、騙される人はいないはずです。これはインディペンデント音楽業界からの富の搾取であり、UMGが支配力を強化し、競争を抑圧する過程の一歩に過ぎません」
A2IMのCEOであるDr. Richard James Burgess MBEは次のように述べています「ユニバーサル ミュージック グループによるDowntown Musicの資産買収は、Ingrooves、mtheory、[PIAS]といった企業買収に続き、インディペンデント音楽市場のインフラの更なる集約化という憂慮すべき動きを加速させます。市場の集中が高まることで、競争原理が脅かされ、純粋なインディペンデント・アーティストや企業が、自由かつ公平に行動することが一層難しくなります。この買収は、音楽業界の革新と創造性を支えるインディペンデントの声を封じ込めるリスクを含みます」
WINが公表した声明文には、世界各地のインディペンデント音楽業界団体から、買収を批判する声や、インディペンデント業界への悪影響を懸念する声が上げられました。賛同する業界団体には、カナダのCIMA (Canadian Independent Music Association)、イギリスのAIM (Association of Independent Music)、オーストラリアのAIR (Australian Independent Record Labels Association)、ブラジルのABMI (Brazilian Independent Music Association)、アルゼンチンのASIAr (Association of independent labels of Argentina)からの代表者が批判的な反論が公表されています。