投稿公開日:2025-11-04 投稿カテゴリー:音楽業界 / ライブビジネス YouTubeは、アーティストやクリエイター、インフルエンサーがAI生成によるなりすましやディープフェイクを検知する新ツール「ライクネス検出」(Likeness Detection)の段階的な提供を始めた。新機能の詳細は、YouTube公式チャンネル「Creator Insider」の動画で紹介された。現時点では特定のYouTubeクリエイターへの限定提供となっており、今後数カ月でYouTubeパートナープログラムに参加する全クリエイターに展開が予定されている。https://www.youtube.com/watch?v=zVqQiBb0F-w新ツールは、「コンテンツID」に似た自動検出の仕組みで動作し、無断使用されたり無許可で生成された認識可能な顔の検出を目的としている、動画では、クリエイターの類似映像を検知した動画を一覧表示できるようになり、その中から高リスク動画のフラグ機能や、再生回数、投稿チャンネル情報の確認ができる仕様が紹介されている。また「もし自身の容姿が無断で使用された動画を発見した場合、YouTubeのプライバシーガイドラインに基づき、削除申請を行うことができます」と説明している。クリエイターはYouTube Studio内に設置される「コンテンツ検出」(Content Detection)タブから、対象動画を確認できるようになり、削除申請や著作権侵害の申し立てなどの対応を行うことができる。YouTubeは近年、生成AIの急拡大に伴うリスク軽減策と、アーティストや権利者をなりすましや不当なクローン行為から保護する対策を強化している。2024年にはプライバシーポリシーを改定し、声や容姿を模倣した動画に対して、削除申請できる新たな制度を導入した。また、アーティスト固有の歌唱声やラップの声を模倣すると判断された動画に対して、削除要請を出せる仕組みも整備している。ただし、現時点では課題も見えている。例えば、アーティスト本人や個人のクリエイターが大量のディープフェイク被害を受けた場合、検出された動画を1件ずつ手動で確認し、削除申請を出す運用方法では、対処が後手に回る可能性が高い。今後、YouTubeがどのようにディープフェイクの検出数および対処件数を拡大できるか、削除申請を円滑化できるかは重要な関心となっていくはずだ。