ソニー・ミュージック・エンタテインメントは、SNS投稿において必要なライセンス許諾を得ず、同社の音源を使用したとして、米国最大のスーパーマーケット・チェーンのクローガーを提訴した。
同社はスーパーマーケットのラルフ、シティマーケット、フレッドマイヤーなど食品スーパーやドラッグストアを展開しており、2025年の年間総売上だけで1,476億ドルに達している世界有数の小売業者だ (日本円に換算すると約23兆4995億円)。
ソニー・ミュージックは8月21日、米国カリフォルニア州中部地区連邦地方裁判所に訴状を提出した。
ソニー・ミュージックに加え、アラモ・レコーズ、アリスタ・レコーズ、ラ・フェイス・レコーズ、ウルトラ・レコーズ、プロビデント・レーベル・グループ、ゾンバ・レコーディングなど、9つの傘下レーベルも原告として名を連ねている。
ソニー・ミュージックによると、クローガー社のSNSアカウントや、同社ブランドの広告投稿を行うために報酬を得たインフルエンサーのアカウントにおいて、同社の楽曲が少なくとも392回にわたり無許可で使用されたことが確認された。
訴状によると、権利侵害件数が最も多かったのはマリアノズで99本の動画投稿、次いでクローガー社コーポレートアカウントは76本、マレーズ・チーズは70本となっている。
今回の訴訟における特筆すべき点は、クローガーとソニー・ミュージックが2017年から2025年にかけて、SNS投稿や動画キャンペーンにおける楽曲使用を許可するライセンス契約を締結していたという事実だ。
2020年には、ラヴィン・スプーンフル(The Lovin’ Spoonful)の楽曲を使用した7週間にわたるSNSキャンペーンが展開された。
訴状では「クローガー側の当事者は、過去に同様のライセンスを交渉し、対価を支払った経緯がある以上、ライセンス取得の必要性について知らなかったとは主張し得ない」と指摘されており、クローガーによる権利侵害行為は「故意」によるものだと述べている。
この訴訟は、レコード会社や音楽著作権者とブランド企業との間で相次いでいる一連の法廷闘争の最新事例だ。
その例には、ソニー・ミュージックはDSWシューウェアハウス(DSW Shoe Warehouse)を相手取った訴訟も含まれるが、こちらは今回のクローガーに対する訴訟が起こされるわずか数日前に和解が成立したとみられている。
