今年に入り、YouTubeは新たな動画配信機能として「ステーション」(Station)をローンチした。
これは往年のMTVを彷彿させるように、公式のMVやライブ映像、アーカイブ映像などを24時間ループさせるリニア型のライブ配信機能だ。
YouTubeはこの新機能を今年4月のコーチェラ・フェスティバル開催に併せてローンチした。
当初はブルーノ・マーズなどの著名アーティスト、コーチェラ出演アーティストなど、約40組のアーティスト・チャンネルで展開が始まった。
8月に入り、YouTubeはこのステーション機能を実装できる対象クリエイターとチャンネルを拡大しつつある。日本人アーティストのチャンネルも対象となっている。
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YouTubeは、新機能の対象範囲について「クリエイターのコンテンツ、メディアチャンネル、ポッドキャスト、そして厳選された新人アーティストなど、新たな形式のコンテンツも対象に拡大します」と説明する。そして「当初は一部のアーティストを対象に試験運用を開始しましたが、今後はさらに幅広いジャンルのコンテンツでもステーションが利用できるようになります」とも述べている。
今回YouTubeは、アップデートしたサポートページで、ステーション機能の狙いも解説している。
同社によれば、「ステーション」機能は、お気に入りのクリエイターの動画コレクションを、テレビ番組のように「座ったまま(リーンバック)」の状態で続けて視聴できるようになる。
また、ライブチャットで他のファンとリアルタイムで交流もできる。
まるでファン同士が同じ空間で一緒に動画を楽しむかのような、共有視聴感覚を生み出すことを目指していると云う。
この点は非常に重要となってくる。
この視聴手法は、長年TwitchとDiscordが強みとしてきた「ウォッチパーティー」的な共同体験を再現しようとするYouTubeの最新の試みといえる。
同時に、これまでチャンネルの下層で眠ったままだったカタログ楽曲を、24時間視聴可能なライブ配信コンテンツへと転換させる手段でもある。
埋もれていたカタログ楽曲が再び日の目を見ることとなれば、アーティストやレーベル、YouTubeそれぞれにとって新たな収益源になり得る可能性がある。
さらに。ステーション機能は、近年YouTubeが最重要領域として注力している、自宅のテレビでのYouTube視聴の圧倒的な市場シェアをより一層強固にする狙いもある。
24時間配信のリーンバック型チャンネルの増加は、まさに同社が狙うこの領域での戦略に合致している。
