音楽生成AIスタートアップ「Suno」は、ライブ音楽との連携強化を図っている。同社は新部門「Suno Live Experiences」を設立し、元Ticketmasterグローバル事業開発・戦略的パートナーシップ部門副社長のマイケル・チュア (Michael Chua)が、同部門の副社長兼ゼネラルマネージャーに就任することを発表した。

新部門には、Sunoが2025年11月にワーナーミュージック・グループと締結したライセンス契約時に買収したコンサート発見プラットフォーム「Songkick」も含まれる。Songkickの買収は、ワーナーミュージックのSunoに対する著作権侵害訴訟の和解に伴う契約の一環だった。

チュアはTicketmaster在籍時にApple Music、Google、YouTube、Spotify、TikTok、Snapなど大手プラットフォームとの製品パートナーシップの構築に携わってきた経歴を持つ。これらの提携により、アーティストのファンたちは、Ticketmasterのウェブサイトやアプリを経由することなく、イベントの発見やチケット購入を実現した。

Sunoによれば、Live Experiences チームは、Songkickのディスカバリー・プラットフォームとSuno AIの統合を進め、コンサートのレコメンデーションの改善に取り組むとのこと。

チュアは「SunoとSongkickを組み合わせることで、アーティストとファンをより深くつなぐ新たな可能性が開けます。そして最終的には、業界をリードするSunoのツールがなければ実現し得なかった、まったく新しい体験を生み出せるでしょう」と述べている。

Sunoのチーフ・ミュージック・オフィサーであるポール・シンクレア (Paul Sinclair)は次のように語った。「私たちは初のクリエイティブ・エンタテインメント・プラットフォームを構築しており、ライブ音楽はその中核を担う要素です。ライブ・エクスペリエンス・チームが特に注力するのは、新進アーティストの支援です。たとえば、当社の『Spark』プログラムに参加するアーティストたちです。Sparkは、インディペンデント・アーティストが音楽プロジェクトを形にし、より手軽にライブ体験を生み出せるよう設計されたインキュベーション・プログラムです」

https://suno.com/spark

「Spark」は今年6月、Sunoがレーベル未契約のインディペンデント・アーティストを対象にした育成プログラムとして開始した。Spark選出アーティストは、活動資金とマーケティング資金が提供される。またSuno主催のライティングキャンプへの参加、実績あるアーティストとの共同制作の機会も得られる。

これらの音楽事業をSunoで統括するのが、前述のシンクレアの役割だ。彼は、2025年7月にSunoへ参画した。それ以前はアトランティック・レコードで2019年よりゼネラルマネージャー兼上級副社長を務めていた。

シンクレア率いる音楽事業チームには、音楽業界でさまざまな要職を務めた人材が集まりつつある。アトランティック・レコード、ソニー・ミュージック、モータウン・レコード、キャピトル・レコード、88rising、Spotify、YouTube、Meta、Amazon Music、Twitch、Splice、Snap、BeReal、Patreonなど、メジャーレーベルからDSPなどでの経験を持つメンバーが加わっている。

投稿者

  • ジェイ・コウガミ

    ジェイ・コウガミは、Music Ally Japanのエディトリアル・ディレクターで、ニュースレター記事執筆、イベントおよびカンファレンスのモデレーターを担当しています。