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コンサルティング会社「MIDiA Research」は、世界の音楽市場の成長予測に関するレポートを発表した

同社が公表した『2026-2033年 世界音楽市場予測』によれば、2033年には世界の原盤音楽市場 (小売収益ベース、retail revenue)は1,211億ドル規模へと成長する見込みだ。

これは2025年の743億ドルから1.6倍の成長で、8年間で468億ドル拡大する見通しとなる。

MIDiAの分析では、2033年においても音楽ストリーミングが世界の音楽業界の収益の原動力となり続ける一方、「ファン・エコノミー」分野、ファンダム収益が、レーベル各社の収益強化で重要性を増していく。

また、世界の音楽ストリーミング市場が成熟期を迎える中、ストリーミング各社はさらなる持続的成長を見越して、価格改定と新たな料金プランを含めた新しいフォーマットでのサービス提供が見込まれる。

原盤音楽市場の成長率は2024年の7.3%から2025年には11.4%へ加速し、743億ドルに達した。

この成長を牽引しているのは、拡張権利ビジネス (Expanded Rights)で、2025年には市場の成長率より2倍の速度で拡大した。

拡張権利ビジネスには、原盤音楽以外の収益源が対象となり、グッズ販売、ブランドパートナーシップなどでレーベルが得るその他の収益が含まれる。

同レポートで注目したいのは、サブスクリプションのグローバル市場の変様だ。

MIDiAは、2025年と2033年で、音楽サブスクリプション利用者数と収益における世界上位5カ国を次のようにあげている。

日本は2025年時点でサブスクリプション利用者数で世界4位、収益面では5位となっているが、2033年には利用者数でインドに抜かれ、5位に下がると予測される (収益面は5位を維持)。

サブスクリプション利用者数 予測

2025年
1位:中国
2位:米国
3位:ブラジル
4位:日本
5位:イギリス

2033年
1位:中国
2位:米国
3位:インド
4位:ブラジル
5位:日本

サブスクリプション収益 予測

2025年
1位:米国
2位:中国
3位:イギリス
4位:ドイツ
5位:日本

2033年
1位:米国
2位:中国
3位:イギリス
4位:ドイツ
5位:日本

世界の音楽市場で成長を牽引していくのは、グローバルサウス市場の国々のさらに台頭によるものとされる。

これらの国は、成熟した欧米市場に変わって、今後の音楽サブスクリプション市場を牽引する地位を確立していくものと予想される。

2033年も中国が引き続き、世界の利用者数で首位を維持し、収益面でも米国に次いで2位となる。

また、前述の通り、2033年までにインドが中国と米国に次いで、世界3位の音楽サブスクリプション利用者数を誇る国になる、という大胆な予測もされる。

ただし、サブスクリプション収益で見た場合、インドは上位5カ国には入らない。

1位の米国から5位の日本まで、2025年と2033年で上位5カ国は変わらない予測だ。

2033年までは、引き続きSpotifyなどの音楽ストリーミングサービス (DSP)が収益シェアを拡大することが予想される。

その要因には、DSPのバンドルプランを通じた割引、Spotifyが提供する「Discover Mode」などの仕組みだ。

DSPなどが牽引する小売売上が伸びる一方、卸売収益 (権利者・レーベル側の収益、trade revenue)の成長率は緩やかで、小売収益の成長率を下回る予想となる。

この傾向は2033年まで続く見通しだ。

卸売収益の見通しは、2025年の399億ドルから2033年には627億ドルに達するとする。

もう一つの予測は、レコード会社の「ファン・エコノミー」収益に関するものだ。

同収益は2025年の113億ドルから、2033年には185億ドルに拡大するという。

ただし、これは非常に幅広いカテゴリーだ。

MIDiAはこの領域で重要視する3つの収益源を次のようにあげている。

特に、レーベル各社は収益源の多様化に迫られる中、「ファン・エコノミー」戦略の構築が、大きな重要性を占めている。

1. 非DSPストリーミング収益:ソーシャルメディア・フィットネス・ゲームといった各種プラットフォームからの収益 (Meta、Snap、TikTok、Peloton、Twitch、Robloxなど)
2. フィジカル:スーパーファン、熱心なファン向けのCDやアナログレコードの売上
3. 拡張権利ビジネス収益:グッズ販売、ライブ・イベントの売上に対するレーベルの取り分、ブランドパートナーシップ

音楽市場予測を比較する上で参照できるのは、ゴールドマン・サックスが2025年に発表した『ミュージック・イン・ジ・エア(Music in the Air)』レポートの最新版がある。

ただし、両者が測定している対象は、必ずしも完全に一致しているわけではない。

ゴールドマン・サックスのレポートでは、2035年時点における世界の原盤音楽市場の卸売収益を550億ドルと予測する一方、同年のストリーミング単体による小売収益については811億ドルと予測しており、そのうち422億ドルが権利者に還元されるとしている。

投稿者

  • ジェイ・コウガミ

    ジェイ・コウガミは、Music Ally Japanのエディトリアル・ディレクターで、ニュースレター記事執筆、イベントおよびカンファレンスのモデレーターを担当しています。