
米国を拠点に世界中の音楽企業にデータを提供するLuminateは、韓国で同社初となる「Korea Music Data Summit」を7月18日に開催しました。
同イベントには、HYBE、JYP、YG、SMなど大手音楽企業や、Kakaoなどの韓国音楽プラットフォームの幹部が多数参加しました。加えて、ユニバーサル ミュージックやソニーミュージック、ワーナーミュージックなどのメジャーレコード会社や、ATU Partners、Indies Capital Partnersなど投資会社の幹部など、多くの企業が集まりました。
イベントでは、Luminateが最近発表したばかりの「2025ミッドイヤー・ミュージック・レポート」の説明を行い、音楽データとアーティスト育成、マーケティングの最大化、グローバル展開との関係に焦点をあてたセッションが行われました。加えて、ゲームプラットフォームの影響力や、AI生成コンテンツを含むグローバル音楽消費トレンドの最新事情についても説明がありました。
Billboardでは、同イベントでLuminateが自社データを用いて解説したK-POPのグローバル・トレンドと、音楽消費の波及効果を紹介しています。以下は、全て2025年上半期が対象です。
- 韓国外でK-POPジャンルのストリーミング再生数が最も多かった市場は日本とアメリカ
- 国内の音楽消費において全ジャンルに対するK-POPシェアが最も高い市場は台湾
- アメリカ国内での都市別K-POP消費シェアでは、ホノルル、サンフランシスコ、ロサンゼルスがトップ3都市
- 国別の音楽輸出力の比較では、韓国はアメリカ、イギリス、カナダに次いで世界第4位の音楽輸出国
- Luminateの「Export Power Ranking」データによれば、韓国出身アーティストの楽曲再生が最も多い国トップ3は、台湾、日本、シンガポール
イベントでは、マーケティング施策の波及効果と、音楽消費への影響についても解説があり、具体的な事例として、トランスメディア型マルチプラットフォーム・マーケティング施策について説明されました。
Luminate はアーティスト事例で、BLACKPINKが2020年にリリースしたアルバム『The Album』が取り上げられました。同アルバムは、一般的にリリース後に起こる再生数の減少を回避する施策として、Netflixのドキュメンタリー映画『Blackpink: Light Up the Sky』をアルバムリリースのわずか12日後という短期間で、次の大きなプロジェクトを公開しました。Luminateの分析によれば、同ドキュメンタリーの公開効果がアルバム再生を再活性化し、8000万回以上のオンデマンド・オーディオ再生が世界規模で起こりました。この施策は、BLACKPINKの他の作品リリースと比較しても際立った反応が見受けられ、映像コンテンツとの連携が音楽消費を大きく動かした効果を示す事例とLuminateは捉えています。