アルゴリズムに依存せず、人による選曲・キュレーションと、高音質配信を売りにする音楽ストリーミングサービス「Qobuz」は、これまで何度もその成長ぶりが報じられてきた。Qobuzは、米国では音楽・メディアアプリの分野で2番目に、英国では3番目に成長が早いアプリとなるほど、急速に支持を拡大してきた同社が、その実態を裏付ける具体的な数値を公表した。Qobuzによれば、2025年の同社の売上高は前年比で45.7%増加した。これは業界標準の成長率を5倍も上回る数値だ。同社の月間アクティブユーザー数は120万人で、ユーザー一人あたりの年間平均売上は135.9ドルだった (業界平均は20.74ドル)。ただし、Music Allyの理解では、Qobuzが示したユーザー数120万人には、トライアル利用者や、ファミリープラン利用者も含まれる。
Qobuzの売上は、80%が海外市場から生まれている。売上の大半は米国が占めている。本社機能はフランスで、CEOで会長のデニス・テボー (Dennis Thébaud)が経営するXandrieによって、非上場・独立企業として運営されてきた。現在Qobuzは日本を含めて世界26カ国でサービスを展開している。
他のDSPと比較すると、Qobuzのユーザー数120万人を135.9ドルで計算すると、年間売上高は約1億6310万ドル弱となる。日本円に換算すれば約262億円だ。これは同じフランスを拠点にするDeezerの昨年の売上における約4分の1に相当する。
Qobuzは、今回の業績の発表で、自社の勢い影響力を音楽業界でさらにアピールしたいと捉えられる。同社の副CEOのジョルジュ・フォルネ (Georges Fornay)は「音楽ストリーミングは巨大な市場です。私たちはその中において、プレミアムで、独立した立場を取り、アーティストと音楽を愛する人々に貢献するという、私たち独自の方法で居場所を築くことを選んできました」と述べた。
Qobuzは2025年、音楽ストリーミングからアーティストへの収益還元で透明性を高めるため、1再生あたりの平均支払額を公開した。ストリーミングサービスでは初めてとなるこの発表で、Qobuzは1再生あたり平均0.01873米ドルを、レーベルや音楽出版社に再生印税として還元していることを明らかにした。1000回再生されれば、18.73ドルが権利者へ支払われる。その後、各権利者の契約条件に基づいて、アーティスト、ソングライター、作曲家へ収益が還元される。
