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世界中のインディペンデント・レーベルやディストリビューター向けに、デジタル権利のライセンス交渉を行うエージェンシー「Merlin」とSpotifyは、Spotifyが近日導入予定のAIを活用した「ファン・メイド」リミックス、カバー制作ツールに関する新たなライセンス契約を締結した

同ツールの導入に関しては、既にSpotifyが発表しての通り、プレミアム・プラン利用者向けのアドオン機能として提供される予定。料金や展開時期、対象地域は現時点では未定。

このツールを使って、ファンは、アーティストやソングライターの楽曲を使ったカバー曲やリミックスを作ることが可能となり、好きなアーティストや楽曲の楽しみ方、関わり方をより深めることができる。

一方、今回の契約によって、Merlin契約のレーベルやディストリビューターと契約するアーティストやソングライターは、新ツールでカバー曲やリミックスが生成されると収益が支払われる、という新たな収益源の確保に繋がる。

MerlinのCEOであるチャーリー・レクストン (Charlie Lexton)は、次のようにコメントした「加盟レーベルと契約するアーティストに対し、自身の音楽をこの画期的な技術の一部として提供するかどうかを選択できるようにし、同時に新たな収益源に参加する機会を確保すること、それこそがまさにマーリンの使命です。Spotifyは私たち団体の加盟企業、そしてアーティストたちの権利を尊重しており、その姿勢は模範的です。そのため、このプロジェクトに取り組むという決断は、迷うことのないものでした」

Spotifyの音楽部門シニアバイスプレジデント兼グローバル統括責任者であるチャーリー・ヘルマン (Charlie Hellman)は、次のように述べた「Merlinとの今回の契約により、参加アーティストが適切にクレジットされ、対価を得られること、そしてあらゆる制作物がリスナーを原曲へと呼び戻す仕組みとなっていることが担保されます。私たちは、このモデルをインディペンデント・コミュニティにも拡大できることを誇りに思うとともに、今後さらに多くのパートナーを迎えることを楽しみにしています」

Spotifyのツールをめぐり、最初に契約を結んだのは、今年5月のユニバーサル ミュージック グループで、同社のカタログ楽曲がライセンス契約の対象となっている。

両社は発表で同ツールについて「生成AI技術を活用した」と説明していた。

今回の発表によって、このSpotifyの取り組みはインディペンデント音楽業界にも拡大されることとなる。

この契約でSpotifyとMerlinが重要視したのは3つある。

それは「アーティストの同意」「クレジット表記」「対価」で、新ツールの展開で保証される。

Merlinには現在、世界70カ国以上のインディペンデントレーベルおよびディストリビューター30,000社以上が加盟する。

同団体によれば、加盟企業は、世界の音楽原盤市場全体の15%を占めるという。

Merlinは2025年9月には、Spotifyとのグローバルライセンス契約を更新している。

Spotifyは2025年10月、生成AIを使ってリミックスやカバー楽曲を制作できる「アーティスト・ファーストなAI音楽プロダクト」の導入計画を発表した。

その際、新たな製品開発の支持に名を連ねたのは、ユニバーサル ミュージック グループ、ソニー・ミュージックグループ、ワーナー・ミュージック・グループ、Believe、そしてMerlinの5社だった。

当時、Spotifyはこの製品投入計画について、拘束力のある契約を提示するのではなく、あくまでもライセンス供与に向けた取り組みとして位置付けていた。

現時点で、ソニー・ミュージック、ワーナー・ミュージック、Believeは、いずれもSpotifyの新たなAIツールに関する独自の契約締結を発表していない。

投稿者

  • ジェイ・コウガミ

    ジェイ・コウガミは、Music Ally Japanのエディトリアル・ディレクターで、ニュースレター記事執筆、イベントおよびカンファレンスのモデレーターを担当しています。