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韓国の著作権管理団体である韓国音楽著作権協会(KOMCA)は、8月3日、作詞・作曲・編曲において人間が創作活動の中心的役割を担っていることを条件に、「AIアシスト」による楽曲を著作物として登録できる新たなルールを発表した。プロンプトを入力して生成したAI楽曲は、著作権登録の対象外とした。

しかし、この規定は、社会的合意が形成されていない、と即座に反発を招き、同協会は批判を受けた。

8月18日には韓国政府省庁がKOMCAに対して、より幅広い公的議論を求める書簡を送ったことを受け、同団体は8月25日にルールを撤回。発表後に申請された登録も取り消した。

KOMCAがこうしたルール制定に踏み切った背景には、AI生成楽曲のチャートでの人気上昇がある。韓国のDSP、Melonでは、今年5月にYouTubeクリエイターのJoseon HipHop (チョソン・ヒップホップ)がリリースした「Forest of the Heart」がトップ100チャート最高89位、デイリーチャート99位に入ったことが注目を集めた。

同曲はSunoでメロディとボーカルが生成された楽曲で、歌詞はアーティスト本人が書いている。楽曲は口コミで認知が広がったが、その後、両チャート圏外へ姿を消している。

2024年には、29人の作曲家がそれぞれ200曲以上をKOMCAに登録申請したうち、約5,200曲で生成AIツールを使用した痕跡を見つけたと、同国の監査院が今年3月に明らかにした。

韓国政府は、2023年以降、人間の創作関与がないAI生成物は、著作権保護の対象から外れる、という立場を取っている。

前述のJoseon HipHopは、「Forest of the Heart」からの著作権収入を一切受け取っていない。

その変わり、楽曲制作者として著作隣接権収入を得ている。

KOMCAの動きは、著作権保護の対象には、楽曲制作過程でどれほどの人間の関与が必要か、という基準の線引きが必要であることを示唆している。

KOMCAをはじめ韓国の音楽業界団体は、AI音楽検出プログラムの技術パートナーを選定中である。

また同団体は、国会議員、政府関係者、クリエイター、業界関係者が参加する公的議論を通じて、法的基準の確立に向けて動き出している。

投稿者

  • ジェイ・コウガミ

    ジェイ・コウガミは、Music Ally Japanのエディトリアル・ディレクターで、ニュースレター記事執筆、イベントおよびカンファレンスのモデレーターを担当しています。