TikTokでのバイラルをキッカケに、楽曲の再生回数ブースト、しいてはグローバルヒットまで広がるという事例は、レコード会社各社で数多く研究されてきた。

問題は、どの曲がどのタイミングで利用されるか、だ。

結果的に、TikTokで人気を呼ぶ楽曲は、多くの場合、新曲よりも過去のカタログ楽曲が再発見され、バイラルする傾向が高い。

TikTokは毎年恒例の、夏にTikTok上でバイラルヒットした楽曲「サマー・ソング(Song of the Summer)」リスト2026年版を各国で発表した

グローバル・米国双方で今夏最大のヒット曲となったのは、ケイティ・ペリーの2011年リリースのヒット曲「ジ・ワン・ザット・ゴット・アウェイ(The One That Got Away)」が選ばれた

2010年のアルバム『ティーンエイジ・ドリーム』収録の同曲は、2011年リリースされた当時、米国をはじめ、オーストラリア、カナダ、ハンガリー、インドネシア、マレーシアのシングルチャートでトップ10入りを果たした (ビルボード Hot100チャートでは最高3位)。

リリースから16年を経た同曲は、今夏にTikTok上で新たな世代によって再発見された。

TikTok、2026年の夏にユーザーに広く親しまれた楽曲『TikTok Songs of the Summer 2026』を日本、ならびにグローバルで発表

同曲を使った動画投稿は4200万本を超えた。

そしてこれらのUGC投稿の再生回数は550億回を突破した。

現在、同曲は世界各地のチャートに再びランクインしている。ビルボード・グローバル200チャートでも、22週続けてチャートインを続けており、最高23位まで上昇した。

同曲の復活を受けて、ケイティ・ペリーは、フリートウッド・マックのボーカリストで、伝説的アーティストのスティーヴィー・ニックスがナレーションを担当した「ディレクターズ・カット」版を新たに制作し、配信した

TikTokで人気を集めやすい音楽の傾向では、「ノスタルジア」が明確に反映されやすい楽曲となっている。

特に各国のチャート上位にランクインする楽曲が、このトレンドを象徴している。

米国2位にランクインしたマック・ミラーの「Cinderella feat. タイ・ダラー・サイン)」だ。2016年9月にリリースされた同曲は、約10年の歳月を経てTikTokで再発見され、グローバルチャートで再び浮上し始めている。

3位は、レニー・クラヴィッツの1991年のヒット曲「It Ain’t Over ‘til It’s Over」だった。

同曲はFXのドラマ・シリーズ「Love Story: John F. Kennedy Jr. and Carolyn Bessette」で使用されたことをきっかけに、TikTokで人気を集めた。

以下、米国の今夏TikTokヒット曲は次の通り。

4位:Malcolm Todd「Earrings」(2024年、コロムビア・レコード / ソニー・ミュージック)
5位:BabyChiefDoit「Ghetto Love Story」(2026年Artist Partner Group) 
6位:Noah Kahan「End of August」(2026年 マーキュリーレコード / ユニバーサル ミュージック)
7位:Yung Miami「Spend Dat」(2026年 Uptown Records / ユニバーサル ミュージック)
8位:Temper City「Self Aware」(2026年Thirty Knots)
9位:Shakira & Burna Boy「Dai Dai」(2026年 ソニーミュージック・ラテン)
10位:Slayyyter「Dance…」(2026年 コロムビア・レコード / ソニー・ミュージック)

米国でランクインした楽曲では、TikTokが提供しているインディペンデント・アーティスト支援目的のディストリビューション・マーケティングサービス「SoundOn」を活用した楽曲も含まれてる。

Malcolm Todd、BabyChiefDoit、Yung Miami、Temper Cityなどのアーティストは、SoundOnを通じてTikTok上でのプロモーション展開を獲得し、その勢いをTikTok以外でも継続させ、世界的なヒット曲に変えている。

こうした楽曲の成功は、今後SoundOnを活用してみたいアーティストやレコード会社にとって、同サービスの効果を示す重要な指標となっていくはずだ。

TikTokのSoundOn、バイラル曲「Self Aware」を世界的ヒットへ押し上げる。インディーレーベルと連携したアーティストの育成、音楽業界の新たな成功モデル – Music Ally Japan

TikTokのグローバル音楽事業開発責任者を務めるトレイシー・ガードナー(Tracy Gardner)は次のように述べた。
「『TikTok Songs of the Summer 2026』は、私たちのコミュニティがあらゆる形で音楽を受け入れていることを改めて示すものです。初めてグローバルなオーディエンスを獲得する新進アーティストから、新しい世代によって初めて発見される往年の楽曲まで、その幅は多岐にわたります。Katy Perryの「The One That Got Away」がリリースから15年を経て新たなファンに発見され、世界中のチャートに再びランクインしたことから、Zara Larssonが新たな注目を集めて”Pop Girl Summer”を象徴する存在となったことまで、TikTokは音楽カルチャーが形づくられ、ファンコミュニティが育つ場所です。アーティストや楽曲を新たなオーディエンスとつなぎ、その発見をプラットフォームの枠を超えて大きな盛り上がりを生み出しています」

投稿者

  • ジェイ・コウガミ

    ジェイ・コウガミは、Music Ally Japanのエディトリアル・ディレクターで、ニュースレター記事執筆、イベントおよびカンファレンスのモデレーターを担当しています。