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イギリスのロックバンド、Oasisの歴史的な初期音源コレクションがオークションに登場する

このコレクションは100時間以上におよぶバンドの初期録音、未使用テイク、サウンドチェック、リハーサル音源、メンバーの会話の録音などが含まれる。

内訳はDATテープ209本、アナログカセット73本、ミニディスク3枚に及び、63本のコンサート録音、100時間のリハーサル音源、ギャラガー兄弟やメンバー、ツアークルーとの間で交わされた飾らない会話の数々が収められている。

その他、セットリストや旅程表、演奏に使用したギターなども付随して出品される予定だ。

中には、1996年にスコットランドのロッホローモンド湖畔で行われたコンサートを収録した、唯一現存する貴重な音源も含まれる。

音源は、英国拠点のリトルハウス・オークションにより単一ロットとして一括で売却される予定で、評価額は120万〜160万ポンドと想定される (日本円で約2.5億円〜3.3億円)。オークションは10月3日に予定されている。

ただし、このコレクションの出品者はバンドではなく、1994年のデビュー・アルバムから2001年までOasisのサウンドエンジニアを務めたヒュー・リチャーズ (Huw Richards)の息子のオウェイン・リチャーズ (Owain Richards)となっている (実際に収集したのは父親のヒュー)。

一方、バンドはオークションへの出品に反対の意を示している。

オークションハウスのマネージング・ディレクターであるベン・ホーマー (Ben Homer)は、Oasisが反対していると英国メディアのガーディアンへの声明で明らかにした「Oasis側は今回のオークションを認識しており、懸念を表明しています。資料の規模や重要性を考慮すれば、納得できます」

ホーマーは、オークションハウスとして適切な法的プロセスに則って手続きを進めているという。

出品される録音物や資料の出どころも確認済みだとのこと。

このアーカイブによって、コレクターや団体は英国音楽史における重要な時代を記録した資料を入手する機会が得られると述べた。

重要なのは、購入者は、これらの音源を商業的にリリースすることはできない点だ。

販売された音源でも、知的財産権はOasis側が保持している。

音源の利用に関して、依然としてバンドの同意と協力が必要となる。

法律事務所Simkinsのマネージング・パートナー、ユアン・ローソン (Euan Lawson)がDigital Music Newsに対して、今回のオークションと知的財産権について次のように述べている「今回のケースは、物理的な録音媒体が、その媒体を体現する知的財産権とは独立して所有され得ることを示しています。しかし実際には、単純な位置付けではありません。サウンド・エンジニアは通常、テープやファイルそのもの、あるいはそれらに含まれる知的財産について、明示的な権利を一切有しないという契約条件の元で業務を行っています」

「例えサウンド・エンジニアが録音物を物理的に所有していたとしても、それを使ってできることは極めて限られています。そのエンジニアが知的財産権を保有、あるいはアーティストの演奏を利用する同意を得ている可能性は極めて低いからです。従って、物理的な媒体自体は売買できても、購入者がその録音物をどう利用できるかという点は、全く別の問題になります」

Simkinsのベン・ギズビー (Ben Gizbey)は、別の問題点を指摘する。

Oasis側が将来的にこれらの録音物を活用したいと考える可能性があるとすれば、彼らがアーカイブを買い取る必要が出てくる。

その場合、購入者から録音物を入手するために高額な対価を要求されるリスクもあると述べた。

投稿者

  • ジェイ・コウガミ

    ジェイ・コウガミは、Music Ally Japanのエディトリアル・ディレクターで、ニュースレター記事執筆、イベントおよびカンファレンスのモデレーターを担当しています。