サッカー・ワールドカップの開幕が迫る中、音楽ストリーミングやTikTok、Instagram、YouTube上には、AI生成された非公式のワールドカップ・ソングやサッカー応援ソングの配信が急増し、世界各地でバイラル現象を引き起こしている。

フランスの音楽ストリーミングサービス「Deezer」は、AI生成音楽に関する最新データを発表したが、同プラットフォームには、ワールドカップに合わせてAIで生成された関連楽曲が数百曲以上アップロードされているという。Deezerによれば、「World Cup 2026」という名称の楽曲は270曲以上アップロードされており、その70%以上はAIを使用して生成した楽曲のラベル付けされている。「FIFA World Cup 2026」という名称の楽曲は150曲以上アップロードされており、その65%以上はAI楽曲のラベルが付与されている。さらにローカル言語のAI生成楽曲も多数確認された。フランスでは「Coupe du Monde 2026」という名称の楽曲が70曲以上、ブラジルでは「Copa do Mundo 2026」という名称の楽曲が180曲以上アップロードされたが、それぞれ86%、71%が生成AIによるものだった。

Deezerの最高イノベーション責任者オーレリアン・エロー (Aurelien Herault)は、これらの楽曲がアップロードされた際には、「ラベル付けを行い、アルゴリズムによるレコメンド対象から除外する」と述べており、これらの楽曲が数回以上再生される可能性は極めて低いと言う。

AI生成のワールドカップ関連楽曲は、バイラル化しやすいコンテンツとして急増している。代表例のひとつが、フランスのAI音楽クリエイターであるCrystaloのバイラル・ヒット「Imbattables」だ。Spotifyのプロフィール欄では「フランス初のAI音楽クリエイター」を自称しているCrystaloが2月にリリースした応援歌は、生成AIを使ってキリアン・エムバペなどフランス代表選手の名前をコール&レスポンス形式で連呼する構成で、SNSやDSPで人気を集めている。その後、ブラジル代表をはじめ、ポルトガル、アルゼンチン、ドイツをはじめ、多くの国の非公式ファンソングが次々と配信され、支持されている。